ピックアップ

【2020年11月6日更新】
4次締切の締切日が11月26日から12月18日に変更されました
5次締切(2021年2月締切予定)では、コロナ特別枠は廃止、通常枠のみに戻ります。

【2020年10月5日更新】
4次締切の情報を追加しています

みなさんこんにちは。

令和元年度補正「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の公募について(全国中小企業団体中央会)

4次締切は11月26日が設定されました。改めて本年度版の公募要領の概要をザックリとまとめています。

※4次締切の公募要領概要版 リンク

なお、9月25日付けで第3次締切の採択発表がありました。
1次締切で62.5%あった採択率は3次では38.1%と大幅に下がりましたが、通年で考えると毎年概ね4割程度の採択率なので、まぁこんなもんかと思います。
※ちなみに過去最低値は平成27年補正二次公募の8.4%でした。
過去採択率はコチラ

申請はJ-Grantsからの電子申請のみ GbizIDプライムアカウント必須

以前こちらの記事でも紹介した通り

今回から申請は全て行政プラットフォームのJgrantsからの電子申請に切り替わっています。
J-Gtantsから申請するには、GbizIDプライムのアカウントが必要ですが、アカウント発行までに約2週間を要する模様。まだ取得していない方は早めに申請しましょう

なお、本電子申請に係る電子申請マニュアルは3月24日(火)に公開予定とのこと。

制度概要について

ものづくり補助金の主旨自体は基本的に前回までと変わっていませんが、本年度は「コロナ特別枠」が設置され、補助率は最大4分の3に上がっています。

公募要領〔概要版〕より抜粋

補助額ですが、3000万という記載がありますが、こちらは今回新設された「グローバル展開型」における最大補助額であり、多くの申請書は「一般型」の最大1000万円が対象となります。

ちなみに、経営革新の事例に「仮想通貨の取引システムを構築」を入れるあたりのセンスはイマイチ理解し難いのですが、本制度が始まった当初、製造業メインぽかったものづくり補助金が、商業・サービス業の支援にもシフトしてきた感はつかめますね。

「一般型」内に「特別枠」が新設され補助率が有利に

一般型では中小企業の補助率2分の1、小規模事業者は補助率3分の2が基本の補助率となりますが、今年度に限り、コロナの影響を受けそれを克服するためのプランを計画した場合において、それぞれ3分の2または4分の3に補助率を引き上げるという「特別枠」要件が追加されています。

ものづくり補助金一般型要件

公募要領6Pより抜粋

なお、これとは別口で「事業再開枠」という、感染予防に対する経費(マスク、空気清浄機など)を満額補助する要件も追加されました。

B類型・C類型の経費を絡めれば4分の3に補助率アップ

先に上げた補助率アップですが、特別枠で指定されている、A~Cに関わる経費のうち、BとC類型の経費が全体の6分の1以上を占める計画であれば、かかった経費全体に対して補助率が4分の3にアップされます。
ポイントは、B、C類型分の経費のみ補助率が上がるのではなく、その他の経費含め全体が4分の3にアップされるという点です。

公募要領(概要版)より抜粋

どのような案件であればこれら類型に当てはまるのかについては別の記事で書こうと思っていますが、仮にコロナの影響で売り上げが下がっているのであれば、何かしらサプライチェーンのうちどこか(仕入先や販売代理店等の販路など)が毀損していると言えます

あとは申請書上で、どのようにストーリーを作っていくか、これはテクニカルの世界になると思いますので、これに関しては補助金の申請に長けたコンサルの助言は役に立つかも知れません。

「ものづくり技術」「革新的サービス」の類型が詳細化

これまで「ものづくり技術」「革新的サービス」の2つの類型で整理されていたものが、今回から4つに分割されています。ただ、ここはさほど気にする点ではありません。

【参考様式1】事業計画書 記載項目より抜粋

小規模事業者の大型投資が有利に

なお、補助率は中小企業2分の1、小規模事業者は3分の2と、完全に固定化されました。
前年度の仕様だと、一定の要件(経営革新計画や先端設備等導入計画の取得等)を満たせば中小企業でも2/3に上がっていた補助率が、今年は1/2固定となっています。

一方、小規模事業者に関しては、とにかく小規模事業者でありさえすれば最大1,000万円かつ補助率2/3が適用される仕様に変更されています。前年までは「小規模型」という最大500万円の補助額のプランに応募する場合のみ、自動的に2/3が適用されていましたが、それが1,000万円まで拡大された格好になります。

計数計画に関する必須要件

これは前年度と結構変わっています。

前年度までは、付加価値額(営業利益+減価償却費+人件費)年率3%かつ経常利益年率1%の計画を提出することが要件でした。

今回は、経常利益率要件は消滅しましたが、それに代わり人件費アップが要件に加わっています。
また、人件費アップに関しては単なる「計画」ではなく「必達」要件になりました。予定通りにアップしなければ事業計画期間後(3年計画の場合は4年目に)、所定の算定式に基づき受け取った補助金を返還しなければならないという、コロナウイルスの影響で平常時以上に先が見えにくいこの時期に、結構なイカれたルールに設定されています。

公募要領(4次締切分)8Pより抜粋

給与支給総額を年率平均1.5%上昇させることに加え、事業所内最低賃金を+30円の水準に維持することが要件に加わっています。

少し詳しく見てみましょう。

給与支給総額の年率1.5%アップ未達成の場合は補助金返還

給与支給総額の年率1.5%アップですが、給与支給総額については、先ずこのように記載されています。

給与支給総額とは、全従業員(非常勤を含む)及び役員に支払った給与等(俸給、給料、賃金、歳費及び賞与等は含み、福利厚生費や退職金は除く)をいいます。

公募要領8Pより抜粋

役員も含めた給与ですね。給与明細に記載されている額面給与がこれにあたります。
いずれにせよ、先ずは給与支給総額を年率1.5%アップさせる計数計画を作成する必要がありますね。

問題はここからです。

事業計画終了時点において、給与支給総額の年率平均1.5%以上増加目標が達成できていない場合は、導入した設備等の簿価又は時価のいずれか低い方の額のうち補助金額に対応する分(残存簿価等×補助金額/実際の購入金額)の返還を求めます

公募要領(4次締切分)9Pより抜粋

算定式が少しややこしく見えますが、事例としてザックり説明すると

  • 2000万円の設備を導入し、1000万円の補助を受けた
  • 事業計画は5年計画
  • 設備の償却年数は10年。償却方法は定額法(毎年一定の金額を償却)
  • 事業計画終了年の5年後の人件費が、1.5%×5年=7.5%アップ目標に対して未達だった

この場合、5年後の実績確認後に、500万円を返還する必要があります。

↓こんな感じですね

チェックされるのは5年後の給与支給総額であり、これが基準年と比較し1.5%×5年の7.5%アップしているかどうかという点です。
よって、毎年1.5%上げていくのではなく、計画最終年度に「エイっ!」と気合で7.5%になるように上げて無理やり達成することも可能です。(お勧めはしません)

数年後の状況など誰も正確に予想できないなか、人件費アップを達成しなければ補助金返還というこのルール。相当厳しいですよね。

ただ、一応このような救済策も出ています。

ただし、付加価値額が目標通りに伸びなかった場合に給与支給総額の目標達成を求めることは困難なことから、給与支給総額の年率増加率平均が「付加価値額の年率増加率平均/2」を越えている場合や、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は、上記の補助金一部返還を求めません。

公募要領(4次締切分)9Pより抜粋
付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)は年率3%が目標とされています(未達成の場合でも補助金返還の必要はなし)。
5年後の付加価値額は3%×5年で15%以上の伸びを示す計画が当初計画として必要ですが、5年目の最終年度で、仮に付加価値伸び率が5%(つまり年率平均で1%しか向上しなかった)場合、
給与支給総額の年率増加はその半分の年率0.5%(5年後に2.5%)を超えていればOKということになります。
いずれにせよ、ややこしい仕様となっています。

事業場内最低賃金+30円の達成状況は毎年チェックされる

人件費についてもうひとつ

事業計画中の毎3月時点において、事業場内最低賃金の増加目標が達成できていない場合は、補助金額を事業計画年数で除した額の返還を求めます。

公募要領(4次締切分)9Pより抜粋

先の「給与支給総額」と違い、こちらは毎年チェックが入ります。

5年計画で提出した場合、補助事業期間終了後、5年間に渡り、従業員の賃金状況を確認されるようです。この書き方だと、年間平均の賃金を見られるというよりは、3月時点(3月の一か月間)の賃金状況がどうなっているかを確認されることになります。

ただ、これを事務局がどうチェックするのか、運用については現時点では明らかにされていません。

付加価値率を年率3%以上増加(未達成でも補助金返還なし)

これは、例年通りの仕様です。

付加価値額=営業利益+減価償却費+人件費

 

ということで、これら計数計画をまとめた事業計画のフォーマットが公募要領と共に展開されています。

参考様式1 事業計画書記載項目 より抜粋

付加価値額や給与支給総額の算出については、算出根拠を明記してくださいとあります。
付加価値額については、その算定式(つまり算定根拠)が②+④+⑤とありますので、付加価値を構成する営業利益、人件費、減価償却費の内訳を分解した書類を別途作成する必要があるということになりますね。
※申請書類上「その3.会社全体の事業計画の算定根拠」という資料を作成する必要があります。

加点要件・減点要件は大きな変更なし(コロナ対策が追加)

加点を狙える要件を満たすことは、ものづくり補助金の採択に近づくために重要なポイントとなります。

加点要件の内、別途用意すると加点になるその他の事業計画書については、1月の段階で公表されていた内容と同様で、経営革新計画事業継続力強化計画の取得が要件となっています。

<参考>

【災害等加点】事業継続力強化計画は必須

事業継続力強化計画は、自然災害に備えた対策を記載した計画書で、提出先は各地域の経済産業局になります。

事業継続力強化計画(中小企業庁)

比較的簡単に取得できますので、策定しておくことをお勧めします。

なお、自然災害及び感染症による被害が明確に証明できる場合は、災害証明書を付けることで加点を受けることもできます。
↓のリンク先様式2を参照ください。
令和元年度補正「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の公募について(2020.3.10 全国中央会)

【成長性加点】経営革新計画は都道府県ごとにハードルが異なるので注意

一方経営革新計画は、その名のとおり「革新的な取り組み」を各都道府県が承認する制度であり、計画書の提出に加え、県によってはプレゼン審査も実施しているので、比較的ハードルが高い計画書といえます。

事業継続力強化計画、経営革新計画共に、ものづくり補助金の締切日までに承認済である必要はありませんが、それぞれ提出機関に提出(郵送)済である必要はありますので、加点を狙う場合は必ず郵送までは済ませておきましょう。

【政策加点】「小規模事業者」又は「創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)」

小規模事業者や創業・第二創業(事業承継後を契機とした新たな取組み)の支援に力を入れていくという国の方針に則った政策的な加点となります。

小規模事業者はこれまでも加点がなされていましたが、創業5年以内の事業者も加点の対象になっていますね。

【賃上げ加点】必須要件以上に賃金を上げた場合

先に説明した通り、今回のものづくり補助金では、給与支給総額を年率1.5%、事業所内最低賃金の+30円要件が新規で追加されていますが、それぞれのバーをさらに上げた場合に加点がなされます。

公募要領(4次締切)20P_(5)加点項目,より抜粋

結構なハードルですが、こちらは計画として表明することが加点要件であり、仮に未達の場合であっても「返還せよ」というルールは設定されていません

【その他災害加点】コロナウイルス対策としての設備投資

先にも書きましたが、今回新設された「特別枠」では補助率がアップする他に、そもそも採点時に加点がなされます。

「新型コロナウイルスの影響を乗り越えるために設備投資等に取り組む事業者(特別枠の申請者)」

公募要領(4次締切)20P(5)加点項目,より抜粋

特別枠は補助率・審査のいずれにおいても優遇されるということになります。

【減点項目】過去3年以内のものづくり補助金の採択事業者

逆に、今回減点項目が追加されています。

具体的には、平成28年度補正革新的ものづくり・商業・サービス開発支援事業、平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業、平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業、のいずれかで採択されていた事業者は減点となります。

それぞれの加点幅や減点幅は公開されていないので、それぞれがどの程度影響を及ぼすかは解りませんが、加点項目に関しては満たせる要素があれば押さえておきたいところですね。

基礎審査項目は概ね前回と同じ

昨年と若干の変更はありますが、基本的な審査項目は前年度と同様となっています。

公募要領〔一般型〕(一次締切分)18Pより抜粋

メインは(2)技術面(3)事業化面となりますが、細かい表現に修正が入ったものの基本的に前回と変わっていません。

各審査項目に関してはこちらの記事を参考ください。

(4)政策面については、②に関してはグローバル市場、③は環境に配慮、など、そもそも対象にならなければ書きようがない審査項目も追加されていますが、重みづけとしては(2)技術面(3)事業化面のほうが重要なので、これらについて、「漏れなく」「根拠を携えて」記載していくことが重要だと考えます。

その他:認定支援機関確認書は不要に

「手続きの簡素化のため」という名目でこれまで必要だった認定支援機関の確認書取得は今回から不要になっています。
昨年までは、「認定支援機関確認書が全面的にバックアップする」といった内容が掲げられており、認定支援機関の支援を得ることが条件とされていましたが、大して意味がないことが解ったからでしょうか。今回の要件からは削除されています。

ということで、かなりザックリですが今回のものづくり補助金の概要について触れてみました。

追加情報あれば適宜追加していきます。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう