- 前編(準備編)のおさらい
- 交付申請書別紙の書き方
- J-grantsでの申請方法
前の記事では事業再構築補助金に採択された後、最初に取り掛かる作業である交付申請の準備編として準備事項についてまとめました。交付申請書別紙のダウンロード、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)や最新決算書(更新されている場合)、それから見積もり書の注意点など、添付書類の準備について説明してきました。添付書類に関する作業ボリュームが多かったわけですが、これを乗り越えたらあとは交付申請書別紙の追記・修正を経て添付書類と共に交付申請に入るのみです。
準備さえ出来ていればあとは結構楽なので先ずはしっかりと準備を行いましょう。
※2021年12月7日:ハイライト動画をアップしました
この記事の目次
前回のおさらい(準備事項)
前編の準備編では、主に以下について説明してきました。
- 交付申請書別紙のダウンロード
- 申請用フォルダの整理
- 必要添付書類の整理と注意点
見積書の整理やその他添付書類が全て揃った状態であれば、PC上に作成した申請用フォルダの中身は概ねこのようになっているはずです。
交付申請書別紙の記載(修正・追記)
交付申請書別紙はエクセルファイルになっており、各シートにそれぞれ記入事項があります。
会社の住所や役員一覧・従業員数など、多くのシートは、応募時に申請した基本的な内容となっていますので各シート確認しながら埋めていきましょう。
ここからは基本的な部分は割愛し、特に重要な点(つまり差し戻しが多い点)について説明していきたいと思います。
見積りと交付申請書別紙_ 【経費明細表】の積算基礎を一致させること
事業再構築補助金応募時から、対象経費の項目や金額に全く変更がなければ特段気にする必要はないのですが、細かい部分(設備型番や、対象経費の金額詳細)までみていくと応募時の経費内容と若干異なってくるケースが多いと思います。
事務局は交付申請書別紙記載している経費明細表の項目・金額と見積もりの記述の一致についてはかなり細かく確認しています。
フォルダ内に整理した見積もりと経費明細表の積算基礎に記載した名称が一致する、少なくともどれとどれが対応しているのかは誰が見てもわかるように、積算基礎の名称の必要の変更があればやっておきましょう。
金額に変更がある場合は変更してもOKだが補助金額を上げることは出来ない
さてこの経費明細表ですが、この部分には当初応募時に記載した事業者さんそれぞれの内容が既に記載されています。
当初の計画と全く変わりがなければ修正する必要はありませんが、当初の積算基礎に入力していた経費額や設備名称などの変更がある場合は、交付申請のタイミングで修正に入りましょう。
事業の主旨や目的が変わらなければ、当初応募時からの変更は認められていますが③の交付申請額については、採択を受けた際の金額が上限になりますので、注意してください。
①の赤枠部分は実金額を入力、②は補助率を乗じた額を入力(ただし合計金額の③が採択時に確定している上限を超えないように調整する)といった入力内容になります。
3次締切分(2021年11月30日採択発表)分からは、経費明細表シートが変更
3次締切分からは、各費目ごとに別シートが新設され、入力が若干楽になっています。
※1次締切、2次締切の採択者は関係ありません。
これまでは直接経費明細表シートに入力する必要がありましたが、3次締切回の採択者からは費目別明細表シートが追加されています。費目別明細表シートを入力することで経費明細表シートの数字が自動計算・積算基礎に関しても自動的に埋まる仕様になっていますので、入力時のミスは若干軽減されますね。
どの程度までの経費内容変更が可能かは事務局次第
「補助事業の手引き」にある通り、事業の主旨や目的が変わらない範囲であれば、経費内容は変更可能ですので、交付申請時に修正していきましょう。
型番の変更や、もともと事業計画書の経費積算にざっくりと記載していた経費の詳細化については何ら問題ありません。交付申請時に正しい内容に変更していきましょう。
そもそも当初の応募時に詳細見積もりを確定させることは困難なケースも多いことから、「交付申請時に正しい経費を計上しましょうね」といった「仕切り直し」という考えで結構です。
ただし、採択された時点の事業案件とは目的や用途が全く異なる設備を入れるような場合は、特段の理由がない限り経費として認められない場合がありますので、大幅に変わりそうな方は注意しておく必要があります。
参考)交付決定後でも変更は可能
ちなみに交付決定を受けた後であっても、目的や主旨が変わらない範囲であれば計画変更届を提出すれば経費の変更は可能です。ただし再度承認を得る時間の問題もありますので、極力交付申請時に、ほぼ確実な状態で提出したいところです。
最もミスが多く手間もかかる経費明細表の完全項目一致がクリア出来たら、次は「事業概要(5)補助事業の具体的な内容」シートの確認に入りましょう。
50万円以上の建物費、機械装置・システム構築費の確定額を記載
この部分も応募時に記載した内容が既に入力されています。特段変更がない場合は修正はなくとも大丈夫です。
個々に記載した資産名が、どの見積りを指しているものなのか、そして経費明細表のどの積算基礎に記載したものと一致しているのかがわかるよう、名称は一致させておきましょう。
経費項目に関するもの全ての記載は、対応する番号を付番しておくと事務局もチェックしやすくなると思います。
事業計画に修正がある場合は、横の欄に記載しておく
このシートですが、上記の単価50万円以上の資産を入力する欄の隣に、補助事業計画に変更がある場合に入力する欄があります。
この欄は、単価50万円以上・未満に限らず経費内容に修正がある場合は、記載しておきましょう。
これがこのエクセルフォーマットの難点なのですが、修正内容は一つのセルに入力してく必要があり、記載していくにあたり非常に使い勝手が悪いです。
セルの中で改行する場合は「ALT」キーを押しながらENTERキーを押すと改行できますので、改行しながら上手く整理していきましょう。
ということで、ここまで修正できたら山は完全に超えました。後はその他シートで修正がある場合のみ、修正をおこないましょう。
直近決算年度や基準年度が変わる場合は修正
対象になる事業者さんはさほど多くないかも知れませんが、事業概要(6)シートの収益計画は数値が更新される場合は更新しておきましょう。
例えばこの記事を書いている2021年12月現在、決算期が9月の事業者であれば、応募時の直近決算は2020年9月だったと思いますが、現時点では2021年9月期の決算が確定してるはずです。こういった場合は直近決算の値を更新しておきましょう。補助事業終了年度に関しても、もし当初の計画よりずれ込む予定になった等の理由で期が変わるようであれば、こちらも更新しておきましょう。
この場合、それに合わせて1年後以降の時期もずれ込むと思います。数値をスライドさせておきましょう。
※その際、付加価値額の年率平均が3%を切るようであれば3%を達成する計画になるよう微調整しましょう。
建物費を計上している場合は宣誓・同意書を入力
1次・2次締切回の採択者は、別途、公式HPからダウンロードできる宣誓・同意書を入力して別添として添付。
3次締切回からの採択者は、交付申請書別紙の最終シートに当該シートが追加されていますので、入力しておきましょう。提出方法は異なるものの記載方法については、1次・2次・3次の採択者で共通です。記入方法については以下の記事もご参考ください。
これで交付申請書別紙における重要な点は概ね修正できていると思います。
あと交付申請書別紙と、添付書類をJ-Grantsにアップすれば交付申請完了です。