令和3年11月19日(金)、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の臨時閣議を経て26日(金)に2021年度補正予算案(2022年実施分)が閣議決定。同日中小企業庁から中小企業対策として令和3年度補正予算案(令和4年実施分)の概要が発表されました。補正予算案は12月12日からの臨時国会で審議され、年内予定の国会決議を経て正式決定されます。ここ数年、閣議決定された当該予算は現案のままで通過していますので、若干の仕様変更は入る可能性はあるものの、大枠としての予算や内容はほぼ決まりとみて問題ないと思います。
<参考>
・内閣府「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の閣議決定(外部サイト)
・中小企業庁「令和3年度補正予算の概要ページ(外部サイト)
この記事の目次
今年の予算(2021年消化中)は1兆1485億円
2021年11月、現在進行中で消化中の事業再構築補助金予算は1兆1,485億円。元々、本予算で約55,000社の採択数が予定されています。
2次締切分までの採択者数は17,352社
事業再構築補助金は5次締切までが予定されていますが、このペースだと当初予定していた55,000者の採択数には至りませんね。
事務局が取りまとめている採択結果資料によると、採択額のボリュームゾーンは1,000万円~1,500万円とのこと。平均採択額2,000万円と考えると55,000者採択で約1兆1,000億円の予算消化となります。平均採択額が3,000万円だとすると採択者数は約35000者程度。このあたりは詳細発表がされていないので不明な点も多いですが、雰囲気的には3次締切回以降も概ね現行ペースで採択されていくと思います。
通常枠は4割弱、特別枠は7割の採択率
類型別の採択率はこちら。
こう見ると、売上減少の激しい事業者向けに設置された「特別枠」は相当高い採択率となっていることがわかります。通常枠に関しては4割弱の採択率ですが、設備投資関連の補助金で類似のものづくり補助金も概ね4割~5割程度の平均採択率ですので、事業再構築補助金の採択率は一般的なものであるといえます。なお、4割が受かる補助金はさほど難易度は高くありません。
ちなみにここでは採択率しか掲載していませんが、卒業枠・V字回復枠はそのハードルの高さからか、応募者数が極端ンに少なくなっています。V字回復枠は第2回の締切回では応募ゼロとなっています。
来年度予算は今年の約50%に減少
というか、来年もやるんですね。といった印象です。今年の1兆円超えの予算自体が相当なビックニュースであり、当初は単年で終わるような雰囲気がありました。元々コロナが発生しなければこの補助金自体なかった訳ですし、ものづくり補助金と違って一過性の補助金であると考える方が妥当でした。
令和3年度補正(令和4年実施分)の予算案
1兆円超の本年度実施中の予算と比べると約半分の6123億円に縮小されていますが、その下にある「生産性革命推進事業(ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金)」の約2000億円の約3倍の予算組みになっており、いかに事業再構築補助金が重要視されているかがうかがえます。
申請枠は微妙に変化
先に挙げたV字回復枠や卒業枠は人気がないのか消滅しているようです。基本的には最も申請数の多い、通常枠はそのあま続き、その他類型は時流や国の重点施策に沿ったプランになっています。こういった内容の変更はどの補助金でも一般的です。
申請類型は5つ、コロナ特別枠は回復・再生応援枠に
現在採択率が異常に高くなっているコロナ特別枠という名称は消滅、回復・再生応援枠がそれに代わる名称になっているものと思われます。。
売上減少要件は一部緩和予定
3次締切以降、売上減少要件が結構複雑になっていました。チラシには「緩和」という表現で記載されていましたが、ここは緩和というよりはシンプルになったという言い方のほうが妥当かも知れません。
売上減少要件は「若干」緩和
対象経費に変更はなし
対象経費は、建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費と現行の対象経費科目からの変更はありません。
細かい制限等が出てくるようであれば今後発表されると思います。
今後詳細を検討、開始は令和4年4月頃か
まだ概要が発表されたばかりで詳細は決まっていませんが、概ね現行の事業再構築補助金と同様(審査される事業計画書に書くべき内容の論点)になると思います。
また、現在の事業再構築補助金の5次締切が来年1月頃から公募開始である予定であることから、新たな事業再構築補助金の公募開始は、5次締切の採択発表後(おそらく3月中)の4月頃から公募開始になると思います。