平成30年度補正(平成31年度実施分)もの補助。
制度自体に関しては、新たに特定非営利活動法人の申請が認められたり、企業間データ活用型がなくなったり(平成31年度当初予算分に組入れ)等の変更がありました。
一方、審査項目自体に大幅な変動はありませんでしたが、加点項目にはやや変化がありましたね。
具体的には、昨年度は別枠で加点項目として存在していた「先端設備等導入計画」が、他の加点計画書(経営革新計画、経営力工場計画、地域未来牽引計画)と同列になったことでしょうか。
その他にも、公募要領を比較しているといくつか気づいた点がありましたので、まとめておきます。
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複数回の公募(2回超)を行う予定?,2P
昨年度の公募要領では、「2次公募も予定している」との記載でしたが、今回は「複数回の公募」という表現に変わっていました。
なぜ、昨年同様「2次公募」と書かずに「複数回の公募」という表現にしているのでしょうか。
もともと2次公募自体は、夏以降に開催されることがほぼ確定していましたが、さらにその後にも公募があるのでしょうか。
いずれにせよ、毎回1次公募よりも2次公募のほうが採択率が狭まっているので、仮に3次公募があったとしても狭き門にはなると思われます。
分量は様式1と2合わせて15Pまで,2P
これまでも、申請書自体の注意書きとして、「分量の多さで判断はしませんよ」という文言が記載されていました。
ところが今回は、公募要領の2P目に、大きく「15P以内!」という文言が追加されています。
ちなみに、企業概要(企業名、住所)と申請類型(一般形、小規模型など)をチェックするだけの様式1だけで、2ページ。様式2に関してもあらかじめ用意されているフォーマットだけで概ね5ページあります。つまり、正味の事業計画書記入欄は8Pということになります。
個人的には8P程度の本文分量は適正かと思います。それ以上になる書類は、審査論点以外のことを書いていたり、一つの審査論点についての分量が必要以上に長かったりと、全体のバランスが悪い書類だろうと思います。
補助事業対象者に特定非営利活動法人が追加,6P
新たな対象者として特定非営利活動法人も追加されました。
一般型と小規模型の2類型に着地,7P
昨年度までは、「企業間データ活用型」という、複数企業がデータの連携を行いながらサービスを開発するという類型があり、全部で3類型ありましたが、今回からは一般型と小規模型の2類型に整理されています。
ちなみに、「企業間データ活用型」は、平成30年度補正予算でのもの補助からは外れましたが、今回から追加された平成31年度当初予算には組み込まれています。
2/3補助率アップ要件は変わっていないがルールは変わった,19P
事業類型と補助額や率を端的に示した表が19Pに掲載されてます。
基本的には前回と変わっていません。
基本的な補助率は1/2ですが、※3の、「小規模事業者が小規模型に応募する場合は自動的に2/3へ補助率アップ」は前回から継続です。
また、多くの申請者が狙うであろうものが※2です。
※2関しては「下記表のいずれかに該当した場合」が2/3へ補助率アップです。
↓下記表です。
2/3への補助率アップ要件は、黄色部分の「先端設備等導入計画」「経営革新計画」の2点で、これも前回と変わっていませんが、注目すべきは緑部分です。
これまでは、もの補助の締切日までに、それぞれの計画書の認定を受けていない場合、認定前であっても、提出済の計画書を添付しておけば、問題はありませんでした。
しかし今回からは、認定を受けていない場合は、申請先の受領印が必要となっています。
申請中の書類、確かに預かってますよ。という証拠ですね。
こちらに関してはP25のあたりに説明がなされていますので、気になる方は確認してみてください。
先端設備等導入計画の特別加点は今回から廃止,P25,P63
昨年度から加点要素として加わった「先端設備等導入計画」。
昨年度は先端設備等導入計画の取得により特別枠で加点がなされていましたが、今回から特別枠からは外れました。
↓①~④の計画が全て並列になり、複数の加点計画書を取得しても1回しか加点はされません。
1回しか加点されないだけで、それぞれ点数は違う
ここは不明な部分ではあるのですが、「複数の計画書を取得しても1回しか加点されない」というルールは間違いないのですが、それぞれの計画書が例えば一律で「5点加点」や「10点加点」と同じ重みかどうかは不明です。
噂によると、
- 経営力向上計画<先端設備等導入計画=<経営革新計画<地域未来牽引計画
とも言われていますが、実際のところ公開はされていないのでわかりません。
ただ、取得の難しさ(自社が条件に当てはまるか含め)で考えると、上記の順番で配点の重み付けがなされていてもおかしくはありませんね。
購入型クラウドファンディングの実施で加点
かなり謎な加点項目が出現しました。
スルーします。
定款、登記簿謄本は不要に,P30
こちら、P30の【表1:提出書類】から記載が消えています。
今回から不要になったということですね。
見積もりは今回から必須なの?,P30
↓は今回の見積もりに関する説明書きです。
2019年7月以降有効な見積書(写し)、又は入手価格の妥当性を証明できるカタログ・パンフレットを取れ、との記載の後の黄色の部分の※印がこうです↓
カタログ・パンフレット等の提出は必須ではありませんが、
正直、ここの意味が分かりません。
「見積もり」又は「カタログパンフレット等」(つまりどちらでもよい)であれば、ここの文章は、「見積もり、又はカタログ・パンフレット等の提出は必須ではありませんが」と書くのが正ではないでしょうか。
そうでなく、見積もりは必須だが、カタログやパンフレットは任意という意味なのでしょうか。
なぜ、ここの解釈に悩むかというと、前年度の記載では
⑦(見積もり、カタログ・パンフレット)については、任意です。
と、見積もりも含めてひとくくりに、明確に任意である旨の表現がなされているためです。
今後確認してみようと思いますが、いずれにせよ、設備の妥当性は審査項目でもありますし、見積りは必須と考えておいたほうが良いかと思います。
本文は10.5Pで統一せよ
文字の大きさ指定です。
10.5Pに統一するように指示が出ていますが、このwordのフォーマット。初期入力設定が11Pになっているという不親切なフォーマットとなっています。。
事業計画の数値は達成する年数までの記入で可,62P
昨年度までは、このような記載はありませんでした。
「自身が決めた計画年数を記載する」「その年度を超えた分は記載なしでOK」という理解です。
今回の変更点は、仮に5年の事業計画を考えていても、3年間で伸び率目標を達成する場合、以降は記載しなくともよし。
といった変更であり、微妙に前回の仕様とはことなっていますね。
まとめ
制度面の大きな変更は、昨年度まで別枠で加点されていた「先端設備等導入計画」が別枠でなくなった点でしょうかね。
昨年は、先端設備等導入計画の取得だけで相当加点されていたとの噂がありましたが、このような配点の偏りがなくなったことで、本紙の内容が、より問われるという方向になるのだろうと思います。
以上、軽微な点も含めた変更点のまとめでした。さらに追加情報があればアップデートしたいと思います。