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ご存じの方も多いと思いますが、ものづくり補助金は、大きく「革新的サービス」と「ものづくり技術」の2つの対象類型に整理されています。もっとも、類型はこの2つだけではなく、過去の公募においては、各年度ごとにその他の類型も存在していました。しかし、この2つの類型はものづくり補助金が開始されて以降、ずっと変わらずに存在する定番であり、今後もこの2つの類型を中心に仕様が作られると考えられます。
ここでは、そのなかでも「革新的サービス」とは何なのか?
この定義について解説します。
革新的サービスで申請する場合、当然ですが「革新的サービス」であることが申請の条件になりますので、革新的サービスの仕様をキチンと理解しておく必要があります。いくら自身が「良い事業だ!」「革新的だ!」と感じていても、革新的サービスの要件を満たしていないと、元も子もありませんからね。
革新的サービスの2つの要件
募集要領の10Pには、こう書かれています。
「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」(40ページの「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」についてを参照してください)で示された方法で行う革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善であり、3~5年計画で、「付加価値額」年率3%及び「経常利益」」年率1%の向上を達成する計画であること。
少々長い文章です。
文中には、「40Pの・・・参照してください」や、「中小企業等の・・・基本方針に準じます」などと書かれていますが、詳細は後に譲るとして、つまりこういうことです↓。
ここでいう革新的サービスとは、
- 「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示された方法で行う事業
- 3~5年計画で「付加価値」年率3%「経常利益」年率1%の双方を満たす事業
と記載されています。
上記の記事では、「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインで示された方法」からではなく、そもそも「革新的な開発とは何か」の定義について深く説明しています。
この記事では、ガイドラインについて説明していきます。
ガイドラインに示された方法とは(重要)
1点目のガイドライン部分の記述はこうでした。
「中小サービス事業者のためのガイドライン」(40ページの「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」についてを参照してください。)で示された方法で行う、革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善
「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」とは、2014年6月に公表された「日本再興戦略 改訂2014」に基づき、経済産業省が策定した、主に非製造業を対象としたガイドラインです。
このガイドラインには具体的に10の手法が記されており、これが「革新的サービス」の論点となります。
経済産業省のガイドラインには、事例も含め詳細が記載されていますが、ものづくり補助金の募集要項には、その概要版として33Pに記載があります。こちらを見てみましょう。
(ここではこの構図が理解できれば充分です)
分数の構図となっており、上段(部分)に8つ、下段(分母)に2つの項目と、合計10個の項目で形成されています。
つまりこれが、10個の手法となります。
先ず分子に位置付けられている付加価値ですが、8つの項目のうち、何か一つでも実現することが出来れば、分子の値は向上します。
例えば、「新規顧客層の展開」により客数が増加すれば、売上が増加するという結果が見えそうですし、「顧客満足度が向上」することでリピート率の向上や売上単価の向上の計画も見越すことが出来そうです。
つまり、分子部分の項目を満たすことで、分子である付加価値が向上するという見方となります。
次に分母ですが、こちらは2つの項目で整理されています。
分母ですので、値が小さくなればなるほど全体の値は大きくなりますね。
そのような観点から見ていくと、「サービス提供プロセスの改善」では、新たな設備を導入することでリードタイムを短縮する、とった結果に結び付きそうです。また「IT利活用」でも、IT設備の導入により、人的資源に頼らない正確かつリードタイムの短縮の実現、といった効果も考えれられそうです。
分子の増加(売上増)/分母の減少(効率向上)=生産性向上
つまり、この分子(付加価値)を大きく、分子(効率)を小さくすることが、全体の数値を上げる生産性向上の取り組みといえるのです。
ガイドラインではそのように定められているので、革新的サービスを語るときは、常にこの10項目を念頭に考えていく必要があります。
逆にいうと、この10項目それぞれの言葉の意味を見誤ると危険であるといえます。
詳しくは、ガイドラインを参照してみるとよいでしょう。
ガイドラインに自社のビジネスを当てはめてみる
いずれにせよ、革新的サービスは、自社の新たな取組みであることが前提となります。
このコントラストが鮮明に表現できるどうか、先ずは現在の事業と、革新的サービスを並べてみるのも手です。
単語や箇条書きで結構なので、以下のようなフォーマットに埋めてみて眺めてみるとよいでしょう。
いかがでしょうか?
何か一つでも革新的サービスの項目に当てはまるものがありましたか?
あてはまるものがあれば、それを詳細化(顧客ニーズの裏付けや実現可能性の調査)していくステップに入りましょう。
まとめ
・革新的サービスとは以下の双方を満たす事業のこと
- 「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示された方法で行う事業
- 3~5年計画で「付加価値」年率3%「経常利益」年率1%の双方を満たす事業
・ガイドラインには10個の手法がある
・10個の内訳は、分子増加(売上増加)手法8種類、分母減少(効率向上)手法2種類で構成されている
・新事業は、このいずれかに当てはまるものでなければならない
・新事業が10個の手法のうちどれにあたるのか、フォーマットなどに単語や箇条書きで埋めてみると良い
そして、この10個の手法で行う事業の数値としての結果が、2点目の
- 3~5年計画で「付加価値」年率3%「経常利益」年率1%の双方を満たす事業
になります。
次に、2点目の要素である革新的サービスの基本②「付加価値」年率3%「経常利益」年率1%の計画とはについて解説します。