(3)事業化面③の後半_事業化に向けたスケジュール

B!

※この記事は過年度である平成30年補正(2019年実施分)の記事です。

最新版(2020年実施分)はコチラを参照ください

ここでは後半部分である

補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か

にちおて確認していこうと思います。

後半部分の論点は、「事業化に至るまでの遂行方法」「スケジュール」ですね

実は、この問いは技術面③とも非常に似ています。
技術面③の復習も兼ねて、確認していきましょう。

ほぼ同意である技術面③と事業化面③

以下は、技術面③の記事で示した、技術面③と本審査項目である事業化面③で問われている論点との関係性です。

「方法」という部分が重複しています。

技術面②では「課題の解決方法」事業化面③では「事業化に至るまでの遂行方法」となっており、表現は若干異なるものの、ほぼ同意です。

「ほぼ」という意味について補足します。

多くの補助事業は設備を導入することですぐに事業化できる案件が多いのが実情です。

この場合においては、設備導入に関する「課題の解決方法」の説明が「事業化に至るまでの遂行方法」と同意になります。

しかし、設備を導入して、試作品を作ることを補助事業期間の目標とする場合は、事業化はそのさらに先となります。

よって、前者の場合は、技術面③で丁寧に記載しておけば、本審査項目もカバーできていると言えます。
後者の場合は、さらに事業化に至るまでの方法(誰が何をするのか)を追加で記載していく必要があります。

事業化までのスケジュール部分に特化してポイントを説明する

技術面③でも説明したのですが、そうなるとここで求められるのは、技術面③では問われていなかった「スケジュール」です。
スケジュールですから、誰が何をするのかを「時系列で」説明していく必要がありそうです。

以下はスケジュールのサンプルです。

サンプルを基に簡単にポイントを記載しておきます。

先ずは箇条書きでプロセスを整理し補足説明を行う

スケジュールは表に落とし込んで、解りやすくしておくべきですが、表に落とし込むことで簡潔になり過ぎ、情報が不足する可能性があります。
先ずは箇条書き等で、いつ何をしていくのかを記載しましょう。

また、本項目には「妥当性」が問われていることから、説明書きにはその妥当性を示すような表現を入れると、より良いと思います。

一例として以下のような表現が考えられます。

スケジュールの妥当性例
  • 導入設備検討:既に導入設備は●月から検討を重ねており、既に終わっている。
  • 発注~納品:発注後の納期は確認済。発注後●ヶ月で納入される見込みである
  • 技術習得:●月からメーカーでの操作研修に参加予定であり、●日で修了予定

スケジュールの妥当性については、正直審査員では計り知れない部分ですから、申請者主導でその妥当性を簡単に説明してあげる必要が出て来ます。

「妥当性の説明」というとやや小難しいですが、スケジュールを考えたその理由を淡々と説明することで十分に妥当性は満たせると思います。

担当者は明確にしておく

スケジュールには必ずその作業に関する担当者名(あるいは部署)を入れておきましょう。

ちなみに、この担当者ですが、「技術面④補助事業実施のための体制及び技術的能力が備わっているか」のでも求められています。

基本的には体制図に表現される担当者がこのスケジュール表においても担当になるはずですので、忘れずに記載しておきましょう。

スケジュールの単位は1か月を基本に詳細化する

ものづくり補助金の補助事業期間は概ね4~6か月程度が主流ですから、線表に落とし込む単位はおおむね一か月単位で十分かと思います。

とはいえ、短期の間に各作業が集中することもあると思いますので、上記のサンプルのように、密集する期間に関しては週区切りにするなどの工夫をして、解りやすくすると良いですね。

中間監査等のスケジュールも想定しておいても良い

これは、ものづくり補助金の補助事業期間内の事務的な話ですが、補助事業期間に入ると定期的に事務局に対して、その時点での事業経過報告を行う必要が出て来ます。

これは線表に入れるまでもないことですが、認識していることをアピールするために欄外にでも「都度●●がスケジュール予定と実績の際を確認しながら修正、適宜事業経過報告を行えるようにしておく」等の文章を入れておいても良いかも知れません。

(3)事業化面③の後半のまとめ

ここでは、事業化面③の後半部分である「事業化に至るまでの方法とスケジュール」について説明してきました。

まとめ
  • 問われている「事業化に至るまでの方法」は、基本的に技術面③の「解決方法」で答えているはず。技術面③の記載でカバーしきれていない場合は、技術面③に補足していく形で記載する
  • よって、本項目の論点は「スケジュール」である
  • スケジュールは、箇条書きで整理すると共に、線表でも表現することで簡潔かつ網羅的な記載を心がける
  • 特に箇条書き部分では、そのタスクとスケジュール感の妥当性を示す説明を書いておく
  • 線表には必ず担当者を記載する。ちなみに、ここに出てくる担当者は「技術面④補助事業実施のための体制及び技術的能力が備わっているか」に記載する体制に登場してくる担当者と同一であるはず。
  • 線表の単位は、基本一か月単位で記載しておけばよい。短期間に各作業が密集する場合は適宜単位を詳細化(週単位等)して記載していく
  • 重要論点ではないが、補助事業期間にすべきことの理解をアピールするために、中間監査等の対応スケジュールについて触れておいても良い中間監査等の対応スケジュールについて触れておいても良い

スケジュールに関しては、そんなに難しい項目ではありませんが、引いたスケジュール通りに補助事業が進んでいくのかを、審査員が理解できるように説明してあげるという視点で記載していきましょう。

次が事業化面の最後です(3)事業化面④:補助事業として費用対効果が高いか
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