事業化面の最後は費用対効果に関する問いです。
補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等)が高いか
新事業の収益論点を明確に抜き出て表現する
この審査項目では、
補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等
が問われていますから、そこを押さえた収益計画を示していく必要があります。
例えば、収益計画に関しては以下のような書き方が考えられます。
この例では、新設備の導入で、外注費削減によるコスト削減が見込めることと、新規案件が増加し売上が増加することを端的に示しています。
この表を見れば、審査論点である「新事業による売上と収益の規模」がどの程度かについて、概ね把握できると思います。
算出根拠は事実を基に、悲観的観測も加味する
ただ、これだけではもう一つの審査の論点である、「実現可能性」が抜けていますので補足する必要があります。
例えば、上に挙げた表であれば以下のような記載が考えられます。
-
- No3.外注削減額:現時点で毎年5,000千円発生。新設備の導入により、徐々に切り替える。
- No9.既に紹介などで引き合いが来ており、1年後の10件は見通しがついている。営業マンの●を主担当とし、●エリアへ集中的に営業を開始することで年間10件ずつ顧客を増加させる
「実現可能性」が論点となっていますから、「その数値が達成できる根拠」を記載していく必要があります。この根拠ですが、書き方のポイントとして考えられるのは以下です
- 事実に基づいている
- 楽観的ではなく悲観的に計算している
前者については、
図で挙げた事例でいうと、例えばNo3記載の「現時点で毎年5000千円発生」がこれにあたります。
また、後者については、極力固めの算定をしていることをアピールしておいたほうが心象的にも良いと思います。
特に新規事業計画で収益シミュレーションを行う場合、「楽観的・中立・悲観的」の3パターンを作成することが望ましいと言われています。
新たな事業ですから、算定自体は難しいものになりますが、そのような中で「悲観的」なパターンにおいて十分事業として成立することがわかれば、前に進みやすいものです。
また、審査員視点に立っても、「固めにみてこの数字なら」という視点に切り替わると思います。
(3)事業化面④補助事業の費用対効果のまとめ
本項目では、
補助事業の費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等)が高いか
が問われていました。結論的には何かしらの計数計画を挿入したほうがよいでしょう。
- 収益シミュレーションを入れ、解りやすく新事業の収益予測を記載する。
- 収益シミュレーションでは、3年~5年を想定した新事業の論点となる数字を入れていき、簡潔に表現する
- 各数値については、必ず根拠を記載していく
- 根拠の書き方としてのポイントは、1.事実を書く2.固めの試算であることをアピールする
収益予測については見えない部分が多いとは思いますが、審査論点で問われている、「実現可能性」のアピールが非常に重要になります。
解りやすく伝えつつ、「実現可能性」を上手く伝えていくことがポイントですね。